高齢猫のこれって痴呆?老猫の徘徊やぶつかるなどはボケのサイン!

認知症は人だけにみられるものではありません。猫も年を取ると、認知症を発症することがあります。加齢による症状である以上、完璧に治療することはできませんが、日常生活の中で飼い主として気を付けるべきポイントはたくさんあります。大切な愛猫が心穏やかに過ごせるよう、認知症のサインや対策について知っておきましょう。

猫の認知症、その主な症状

猫も認知症にかかります。年を取って普段と違う行動を取るようになった、しかもそれが何らかの病気が原因で起こったことではないと分かったら、認知症を疑うことになります。では具体的にどのような行動が見られるようになるのか、猫の認知症について詳しく知っていきましょう。まず多いのが「見当識障害」と呼ばれるものです。家の中で迷ってしまったり、つまずいたりぶつかったりすることが多くなります。また、飼い主のことが分からなくなってしまう猫もいます。

その他の症状として、他者への接し方の変化が挙げられます。飼い主や一緒に住んでいる他のペットに異様につきまとうようになる、あるいは逆に全くの無関心になってしまうといった症状です。攻撃性を表すこともあります。不眠や過眠といった睡眠に関する症状が出ることもあります。夜中に徘徊するのもよく見られる症状です。トイレの粗相も増えます。排泄場所が変化する、トイレの場所が分からなくなって粗相してしまう、あるいは排便排尿のコントロールが上手くできなくなるといったものです。また活動が変化して異常に食欲が出る、うろつく、よく鳴くようになることもあります。

こうした症状は一度に表れるものではなく、少し当てはまる部分がある、という状態から徐々に症状が増えていくことが一般的です。猫の種類や大きさにもよりますが、15歳程度で徐々に発症することが多いと言われています。一緒に生活していた猫の行動が変化すると、飼い主は狼狽えてしまうものです。ただ年を取ったからと決めつけてしまうのではなく、まずは獣医さんに相談するようにしましょう。

認知症の原因

昔は「猫はボケない」と言われてきました。これは認知症が始まる前に寿命で死んでしまうことが多かったからです。昨今はワクチン接種や不妊手術、完全室内外などの要因によって猫の寿命が延び、その結果猫も認知症になると分かったのです。猫の認知症は、人間のそれと同様に加齢によって引き起こされます。脳細胞数は最大量に到達すると、あとは増えることなく徐々に死滅していくため、脳細胞は年を取れば取るだけ減少していくことになります。この加齢による脳の経年劣化が、認知症の大きな原因なのです。脳が萎縮し脳神経細胞が正常に働かなくなってしまうことで、徘徊や異常摂食といったいろいろな症状が引き起こされるのです。

認知症の治療法とは

認知症に特効薬は存在せず、完璧に治療することもできません。そのため、認知症の治療では、現状をなるべく維持するような薬物療法や、食餌療法を主体として行っていくことになります。例えば脳内のドーパミンの生成量を増やす薬を与える。これによって認知症の軽減の効果を狙います。この薬は人間のアルツハイマー病患者にも与えられることがあるものです。

サプリメントを利用することもあります。例えばDHAやEPAが含まれるものです。これらオメガ3脂肪酸に分類される脂質は、脳の機能回復に期待が持たれています。魚の脂に含まれているため、魚そのものを食べさせた方がいいのではないかと考える飼い主も多いですが、高齢の猫の場合腎疾患のリスクが高くなるためサプリメントを利用することがすすめられています。この他、脳の酸化を防ぐため抗酸化作用のあるサプリメントも利用されることが多いです。

認知症予防には何をすればいい?

愛猫の認知症を予防するためには、まずストレスをためないようにすることが肝心です。ストレスを受けると一時的にではあるものの血液の流れが悪くなり、これが元に戻る際に活性酸素が発生します。この活性酸素は他の物質を老化させる力が非常に強く、これが脳細胞を攻撃することで認知症の進行が促進されてしまうと言われているのです。猫はふてぶてしいように見えて日常のちょっとしたことにストレスを感じています。餌に不満はないか、寒かったり暑すぎることはないか気にかけてあげましょう。飼い主と遊んだり、キャットタワーで運動することも、ストレス解消に繋がります。

適度な刺激を与えることも大切です。人間と同様に、猫も変わり映えのしない生活を送っていると老化が早まると言われています。特に完全室内外の猫の場合は、飼い主が積極的にコミュニケーションを取ることで、猫の心身に適度な刺激を与えるようにしましょう。新しいおもちゃや遊びを提供するのもおすすめです。定期的な健康診断も必要不可欠です。老化の程度をチェックしたり、もし認知症が分かっても早めの治療を行うことができます。愛猫が年を取ったら、こまめに病院を受診するようにしてください。

症状に合わせた対策を

猫の症状に合わせて、飼い主の側が対策を行うこともできます。例えば夜中に徘徊してしまう場合。飼い主がずっと付いているのは難しいでしょうから、大きめのゲージを使ったり、猫のいく場所に危険なものを置かないなどの対策を取って、歩き回っても怪我をしないようにしておくことが大切です。うっかりトイレ以外の場所で粗相してしまっても、叱りつけず優しく接してあげましょう。認知症の症状が出ている状態で家の外に出てしまうと、帰って来れなくなったり、思わぬ事故に遭ってしまうリスクが高くなります。うっかり外に出てしまわないように気を配るようにしましょう。

夜鳴きが酷い場合、飼い主が日中コミュニケーションを取ることで改善する場合があります。猫の夜鳴きは廊下による不安感からくることが多いため、飼い主がそばにいることでその不安を和らげることができるのです。日中外に出る時も、ラジオやテレビといった音の鳴るものを側に置いておく、湯たんぽや毛布など暖かいものを置いておくことで、猫を安心させてあげることができます。