老猫の水分補給ってどうすれば?水を飲む量が減った愛猫にできる簡単な工夫

猫は元々比較的水を飲まない動物ですが、飲まなくていいという訳ではありません。健康のためには適度な水分補給が欠かせないのは、猫も人間も同じなのです。自然に飲んでくれるのが一番ですが、年を取ってくるといろいろな理由から水を飲まなくなってしまう猫もたくさんいます。そんなときは、飼い主の側が工夫して水分補給を助けてあげましょう。

猫は水を飲まない?

猫はあまり水を取らない動物だと言われています。これは猫の祖先が砂漠に住んでいたことに由来しており、乾いた環境下でも少量の水で生きていくことができるよう進化したからだと言われています。体内の少ない水分を効率的に使い、おしっこを凝縮して出すことで水をあまり飲まなくても生きていけるようになったのです。ただしこれはあくまで祖先の話であり、現代の猫が健康を維持するには適切な水分補給が必須です。水を飲む量が少ないと、尿路結石や膀胱炎、腎臓病などの泌尿器系の病気になるリスクが高くなってしまいます。高齢の猫にとっても水分補給は重要です。年を取ると水を飲む量が増える猫が多いのですが、中には極端に水を飲まなくなる猫もいます。病気やお口のトラブルが原因になっていることもあるため、まずはそこを確認しましょう。その上で、愛猫がスムーズに水分補給できるよう、工夫することが大切です。

水に工夫を加えてみよう

水を飲まない原因として、水そのものが気に入らないというものがあります。元々猫は水をあまり飲まない動物なので、ちょっとしたきっかけで水が嫌いになってしまうこともあるのです。水に一工夫加えることで、高齢の猫でも飲みやすいようにしてあげましょう。猫が好きな水として、まず新鮮なものが挙げられます。こまめに取り換えて常に新鮮な水が飲めるようにしてあげましょう。蛇口から垂れる水を好んで飲む猫もいます。これは「流れている水は新鮮な水」だと猫が本能で知っているからだと言われています。台所や洗面所で水を浸かっているときに猫がやってきたら、蛇口からポタポタ水が落ちる程度に水量を調節し、猫が自分から飲むように促すのもいいでしょう。

猫の飲み水は水道水でいいのですが、中にはカルキ臭が苦手で飲んでくれない猫もいます。そんなときは一度煮沸して冷ました水を準備するといいでしょう。温かい水が好きで、人肌程度の温度まで冷ましたら自然と飲んでくれたということも多いです。鶏肉や魚の茹で汁を少し加えて水に風味を付けるのもいいでしょう。ただし塩や醤油での味付けは、塩分過剰になってしまうので厳禁です。カルキ臭が嫌ならとミネラルウォーターをあげるのも厳禁です。人間用のミネラルウォーターは猫にとってはミネラルが多すぎてかえって健康を害してしまいます。市販の水を与えるときは、ペット用ミネラルウォーターを選びましょう。

食事を考えよう

飲む水の量を増やすために、食事を見直してみるのもおすすめです。ドライフードを与えているなら、ウェットフードへの変更を検討してみてください。ウェットフードは7~8割が水分なので、自然と水分補給量を増やすことができます。また、ドライフードの場合でもスプーン1~2杯の水でふやかして与えることで、自然と水分を取らせることができます。食事を小分けにするのもおすすめの方法です。高齢の猫は消化器官が弱って一度にたくさん食べられないということも多くなります。そんなときは一日のカロリー量に気を付けつつ、一回の食事量を減らして回数を増やしてみましょう。食事回数が増えたことで、自然と飲水量が増えたという研究データも発表されています。

器を見直してみよう

器や飲み方を変えたことで、猫が水に興味を持つことも多いです。まずは器を見直してみましょう。シニア期に入って器の好みが変わったり、好みが強く出てくる猫もいます。どの素材が気に入るかは猫によって異なるので、いろいろなものを試してみましょう。また、表面積の大きい器を使うのがおすすめです。口が狭い器だと水を飲むときにヒゲが触れるため、それが嫌で飲むのを止めてしまうことがあります。

器を置く場所も考えてみましょう。猫は床に置いた器から水を飲んだり食事をしているイメージが強いですが、シニア期に入った猫にとってはその姿勢が負担になっていることもあります。首の上げ下げを繰り返すため体力的にも辛く、水を飲むこと自体が嫌になってしまうのです。猫のサイズに合わせて脚付きの器を使ったり、スタンドを利用して調節してあげましょう。また、猫がよくいく場所があるなら、そこに水を置いておくのも効果的です。器と接する機会が増えるので、自然と飲水するようになります。

道具を使ってみよう

水や器を工夫しても飲んでくれない場合は、飼い主が飲水をサポートしてあげましょう。年を取った猫はそもそも動くのが辛いので、そのせいで器まで辿り着けなくなっていることも多くあります。まず口元まで器を持っていってあげましょう。口元まで来たら、素直に飲んでくれる猫も多いです。それでも駄目なら道具を使って直接水を与えることになります。怖がらないよう優しくし、できるだけリラックスした状態にしてあげましょう。道具はいろいろありますが、安価で手に入れやすいのがスポイトです。文具屋さんでも手に入りますが、先が潰れてしまうので調剤薬局で手に入る赤ちゃん用のものを使うのがおすすめです。

針無注射器(シリンジ)も便利な道具です。目盛が付いているので飲む量を把握できる上、口を開けてくれない猫でも犬歯の後ろから差し込めるので確実に水を飲ませることができます。ただしスポイトやシリンジを使う場合、勢いよく水を流すと、吐き戻しや水が気管に入ってしまうことがあるので、舐めるくらいの分量にすることが大切です。動物用の哺乳瓶は、水を飲ませるには最適な道具と言えるでしょう。ただし噛まれてしまってすぐ破けることが多いので、予備の乳首を多めに準備しておきましょう。