老猫が突然凶暴化!原因と対策についてご紹介

長年飼い続けてきた猫が荒っぽくなってしまうことは決して珍しいことではありません。しかし、家族同然に慕っていた飼い猫に敵意を向けられるのは飼い主には非常にショックなことです。高齢猫が凶暴になるのは様々な理由があるので、対処の方法もそれぞれ異なります。飼い猫といつまでも一緒に暮らすため、高齢猫が凶暴になってしまう理由と対処法を学びましょう。

ペットの認知症は近年になって増加している問題

加齢によって脳の働きが弱くなり、異常な言動を繰り返す認知症は人間だけの疾患ではありません。飼育環境の改善により、近年では犬猫などのペットも認知症を患うケースが増えています。認知症は脳の働きが低下することで正常な判断ができなくなるのが大きな特徴です。人間であれば時間帯に関係無く食事を要求したり、目的も無く徘徊するなどの症状が広く知られています。ペットも人間と同様に過食になったり理由も無く鳴き続けるなどの症状があらわれます。その一方でペットの認知症は症例が少なく、研究が進んでいないことから獣医師でも判別が困難であることが問題です。認知症かと思ったらまったく別の疾患だったケースもあるので、安易な判断は避けて慎重に観察する必要があります。

ペットの認知症が増えたのは生活様式の変化に伴う飼育環境の改善が大きな理由です。猫の寿命は15年前後とされていますが、かつては飼育環境が悪かったことから、天寿をまっとうするまえに死んでしまうのが普通でした。飼い猫が食べる物も人間の残飯が当たり前であり、栄養バランスが悪かったのが短命の理由です。しかし、動物に関する栄養学が進み、ペット飼育への認識も変わったことから飼育環境が改善され、多くの飼い猫が長寿化するに至りました。その一方で飼育環境が良くなっても脳の老化は止められないことから、体は健康でも脳の働きが大きく低下してしまう認知症の発症率が上昇してしまったのです。この点は人間と非常によく似ていることから、猫をはじめとするペットの認知症は現代病のひとつとして扱われています。

高齢になった飼い猫に見られる症状の詳細

飼い猫が高齢になって凶暴になってしまうのは認知症であるケースが多数です。これは脳の働きが低下したことによって自分が置かれている環境が理解できなくなり、警戒心が過剰になったことが原因になります。認知症を患った飼い猫は自分が人間に飼育されていることが分からず、毎日接している飼い主を見たことが無いよそ者と認識してしまいます。見慣れない相手には警戒するのが当たり前の行動ですが、その行動を飼い主に向けてしまうのが認知症の厄介な点です。認知症による凶暴化は常に起きるものではなく、感情の起伏の変化で急におとなしくなることもあります。人間で言うまだらボケの状態ですが、あくまで一時的なものなのでタイミングによっては再び凶暴化します。

飼い猫の凶暴化が認知症によるものである場合、頻繁に失禁を繰り返したり何度もエサをねだるなどの異常行動も併せて起こるのが普通です。そのため、安易な素人判断は絶対に行わず、獣医師の検査を受けさせるのが状態を改善させるための条件になります。認知症は完治することがない脳疾患ですが、適切な治療を受けることで進行を遅らせることは可能です。飼い猫を凶暴化させず、穏やかな状態で飼うには正しい方法による治療を受けさせ、体を労わるのが飼い主の責務になります。治療についても飼い猫の体調に合わせて方法を変え、余計な負担をかけないように注意することが大切です。

飼い猫の凶暴化は飼育環境にも原因がある

高齢猫が凶暴化するのは認知症だけではなく、劣悪な飼育環境に対するストレスも大きな原因になります。飼い猫は自由気ままに動き回るイメージがあるので、室内に放置しておけば良いという誤った認識で飼育されることがあります。しかし、どの猫も飼い主とのスキンシップを求めたり屋外に出るのは普通に持っている欲求です。その欲求が満たされない環境に長く置かれることでストレスが溜まり、憂さ晴らしとして何者に対しても攻撃的に接するようになります。特に高齢猫の場合は不快な環境で長く飼われていた経験が凶暴化の原因であるため、一度暴れると手が付けられなくなるケースも珍しくありません。飼い猫を健やかに育てるにはストレスを溜めないように気を配ることが重要になります。

高齢猫の凶暴化を防ぐ飼い方

高齢猫の凶暴化は飼い主にとっては大きな悩みですが、すべての高齢猫が暴れるわけではありません。凶暴化した高齢猫は認知症でなければ今までの飼育方法に問題があったのが大きな原因です。日頃から猫の飼い方に気を配り、不快な状況に置かないようにするのが凶暴化を未然に防ぐためのポイントになります。しつけと称して暴力を振るったりエサを与えないなどの行為は全く意味が無く、不快感を与えるだけなので行ってはいけません。また、長年同じエサを与え続けるのも飼い猫には大きなストレスになります。定期的にエサの種類を変えることで生活にアクセントをもたらすなど、単調な環境にしないことを心がけます。高齢猫は加齢によって消化器官の働きが弱っていることから、柔らかく消化しやすいエサを選ぶのも飼い主の責任の一つです。

高齢猫が凶暴化するのは視覚や聴覚の衰えによって周囲の状況が分かりにくくなり、不安に感じるのも原因の一つです。警戒心が過剰になった結果が凶暴化なので、飼い主が常に身近にいることが不安感を和らげることに繋がります。飼い猫と常に一緒にいるのが困難であれば親族に協力を仰ぐのもひとつの方法です。高齢猫は身体機能が低下しているので毛づくろいなど自分で体のケアを行うことが困難です。自分の意思で自由に体を動かすことができないことにもどかしさを感じ、それが不快感に発展して凶暴化することもあります。毛並みを整えたり伸びすぎた爪を削るなど、体の状態を良好に保つことも凶暴化を避ける工夫の一つです。飼い猫の心身のケアに細心の注意を払い、不安を感じないように寄り添うことを心がけます。